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阿波番茶
阿波番茶という、徳島特産の珍しいお茶をご存じでしょうか。
飲みやすい独特の風味を持つこのお茶は、現在インターネットなどでお茶の確かなブランドとして確立されていますが、もともとは徳島の生活に根付いた素朴なお茶です。
阿波番茶の番茶は、必ずしも一般的な番茶を指す言葉ではなく、むしろ地方独自の方法で栽培され、その土地で消費されることを目的に作られている土着のお茶という意味にとれます。
つまりは、全国的な主流のお茶に対して番外とされるお茶の略、またひいては、地方に深く根付き、日常使われることからの番茶とも見て取ることができます。
阿波番茶に使われる茶葉は、徳島の山間部に古来より自生してきたお茶の木から採摘されます。
相生や上勝など、阿波番茶でも色々な種類がありますが、多くは険しい近隣の山の斜面に生える木から、しがみつくように摘み取られ、地元農家の手によって作られます。
商売目的の行為と言うよりは、昔ながらの自給自足の中で、自分たちが消費することを目的に現在まで受け継がれてきた手法でした。
緑茶は、紅茶などの発酵させてから保存が利くように加工するお茶と違い、不発酵茶に属するお茶です。
つまり、原料となる生茶葉が摘まれてから、発酵が始まる前に炒るか蒸すかの熱処理を施して発酵を止めてしまうお茶です。
阿波番茶は、あえて新芽のうちに採摘を行わず、本来なら三番茶と呼ばれてちょうど良いぐらいの7月土用の頃に茶葉を摘み取ります。
茶葉は10分ほど釜ゆでされた後、木桶に積み込まれ、上に石を乗せられ、漬け物にされます。
一般的な熱処理のあと、さらにこの発酵させる工程を付け加える手法は、全国的にも、さらには世界的にも珍しいものです。
専門的には緑茶の不発酵茶に対して後発酵茶と呼ばれますが、プーアル茶などがこれにあたります。
しかし、阿波番茶の発酵は乳酸菌によって起こるため、さらに珍しいものと言えます。
発酵させる期間は10日から半月に及び、天日干しして水分を飛ばしたものが袋詰めされて出荷されます。
一般的な緑茶と違い、手揉みなどの整形が行われていないため、阿波番茶の茶葉はそのまま葉っぱの形をしています。
煎じるには緑茶より少し長い時間、しっかりと茶葉の成分を抽出する必要があります。やかんを用意して、麦茶のように煮出すのも手です。
少し酸っぱいような風味がありますが、お茶自体はクセがなく、何杯でも飲みやすいものです。
実際にお茶などに含まれる刺激の強い、カフェインやタンニンなどは発酵の途中で乳酸菌に分解されており、正に生活の中で何気なく水のように飲めるお茶だといえます。
緑茶は普段何気ない食生活の中に取り入れられる健康に良い飲料の代表格です。
日本という土地に古来から根付いてきた文化とも言えるでしょう。
阿波番茶は、徳島以外の方にはインターネットを用いなければなかなか手に入らないものですが、それだけ飲む価値のある珍しいものです。
日常飲まれるお茶ですので、それほど高価ではありませんので、一度口にしてみることをおすすめします。